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草壁シトヒ
くさかべしとひ
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アニメ:Netflix, DMM TV, Disney+, アマプラでジャンル問わず視聴。最近は韓流ドラマに帰着。

ゲーム:時間泥棒なRPGが大好物。最新作より、レトロなドット絵に惹かれる懐古厨。

マンガ:ジャンル問わず読みますが、バトル系と感動系が特に好き。泣けるシーンはすぐに語りたくなるタイプ。

3日目に女性レイヤーが激減!コミックマーケット94(C94)のコスプレ事情

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私は2018年の夏に開催されたコミックマーケット94(以下、C94)のデータを詳細に分析しました。平成最後の夏に行われたこのイベントは、記録的な猛暑と53万人という圧倒的な動員数を記録しています。

特に興味深い点は、3日目における参加者属性の劇的な変化です。私が注目したのは、一般参加者が急増する一方で、女性コスプレイヤーが激減するという「逆転現象」でした。

本記事では、公式データに基づき、C94の実態とそこから見えるジェンダーごとの行動特性について解説します。

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平成最後の夏を象徴する「C94」の動員実績と過酷な環境

C94は単なる同人誌即売会ではなく、気象条件との戦いでもありました。私はこの開催が、参加者の「生存能力」を試す場であったと定義します。

ここではまず、全体的な動員数と気象条件の関係性について紐解きます。

猛暑と戦った53万人の参加者たち

C94の開催期間中、日本列島は災害級の猛暑に見舞われていました。総務省消防庁のデータによれば、この時期の熱中症による救急搬送者数は全国的に高水準で推移しています。

会場である東京ビッグサイトの有明地区は、アスファルトの照り返しにより過酷な環境となりました。それでもなお、3日間で延べ53万人もの人々がこの地に集結しています。

この数字は、C84の59万人と比較すると微減ですが、会場キャパシティの限界値に近いものです。私はこの動員維持こそが、コミケ文化の強靭さ(レジリエンス)を示していると考えます。

3日目に5万人増える動員のメカニズム

コミックマーケットの動員数は、日程ごとに大きく変動するという特徴があります。以下はC94の日別来場者数をまとめた表です。

日程開催日来場者数備考
1日目8月10日(金)160,000人平日開催
2日目8月11日(土)160,000人祝日(山の日)
3日目8月12日(日)210,000人男性向ジャンル中心

表を見ると、1日目と2日目は16万人で安定していることがわかります。しかし、3日目には一気に5万人が増加し、21万人に達しました。

この要因は、3日目に配置されるジャンルの特性にあります。伝統的に男性向け創作や評論、軍事といった「男性比率が高いジャンル」が配置されるため、動員が爆発的に跳ね上がるのです。

物理的限界を迎える会場密度

21万人という数字は、東京ビッグサイトの物理的な収容限界に近い状態です。会場内の通路や広場は人で埋め尽くされ、身動きを取ることすら困難になります。

この「すし詰め」状態は、空調設備や交通機関への負荷を極限まで高めます。3日目の環境は、他日程と比較しても別次元の過酷さであったと言い切れます。

数字が語るコスプレイヤーの行動心理とジェンダー差

一般参加者が増えれば、コスプレイヤーも増えるというのが一般的な予測でしょう。しかし、私が分析したC94のデータは全く異なる動きを示していました。

ここでは、コスプレ登録者数の推移から見える、男女の行動パターンの違いを分析します。

2日目が「ハレの日」である理由

C94におけるコスプレ参加者の主役は、間違いなく女性でした。以下の表をご覧ください。

日程男性レイヤー女性レイヤー合計女性倍率
1日目1,550人4,377人5,927人2.82倍
2日目2,167人5,092人7,259人2.35倍
3日目2,080人3,186人5,266人1.53倍

女性コスプレイヤーは3日間合計で12,655人に達し、男性の2倍以上の規模を誇ります。特に2日目は女性だけで5,000人を超え、最大規模の賑わいを見せました。

これは2日目の配置ジャンルに、ジャンプ系や刀剣乱舞など女性人気が高い作品が多かったためです。女性コスプレイヤーにとって、最も華やかで交流しやすい「ハレの日」は2日目であったと言えます。

なぜ3日目に女性レイヤーは姿を消したのか

データの中で最も注目すべきは、3日目の女性コスプレイヤー数が前日比で約38%も減少している点です。一般参加者が5万人も増えているにもかかわらず、彼女たちは3,186人まで減りました。

私はこの現象の理由を「環境忌避」と「ジャンル・セグリゲーション」にあると分析します。3日目の殺伐とした混雑や男性向け中心の雰囲気は、衣装の保護や快適さを重視する女性にとってリスクが高いのです。

撮影需要と供給の不均衡

男性コスプレイヤーの数は3日目でも2,080人と横ばいを維持しています。つまり、広場にはカメラを持った男性参加者が溢れているにもかかわらず、被写体となる女性が少ないという不均衡が生じていました。

この需給バランスの崩れは、3日目のコスプレ広場がいかに特異な空間であったかを物語っています。女性たちは本能的に、この日の参加が自身にとってメリットが薄いと判断したのでしょう。

運営が発したメッセージと参加者の自律性

C94が無事に終了した背景には、運営と参加者の間に共有された独特の哲学があります。私はこれを「自己責任」と「共助」のバランスであると考えます。

ここでは、アフターレポート等の資料から読み取れるリスク管理の思想について解説します。

「快適とは言えない」に込められた真意

主催者はアフターレポートで「快適とは言いませんが、決して過酷とまでは言えない」という表現を使いました。この言葉は、非常に高度なレトリックを含んでいます。

これは「適切な準備をすれば生存できる」という意味であり、無防備な参加者に対する安全保証ではありません。自分の身は自分で守るというリテラシーが、参加資格の一部となっているのです。

巨大イベントを支える救護と防災のリアル

53万人が集まるイベントにおいて、全参加者の健康を主催者が管理することは物理的にできません。そのため、会場内には臨時救護所が設置され、トリアージ的な対応が行われていました。

消防庁との連携や指導救命士の配置など、見えない部分での医療行政との調整が不可欠です。C94は、都市防災の視点から見ても巨大な社会実験の場であったと言えます。

カタログと紙袋が担う役割

過酷な環境下において、クリエイターによるビジュアルは参加者の心の支えとなります。C94のカタログ表紙を担当した「あおいれびん」氏のイラストは、猛暑の中に清涼感をもたらしました。

企業ブースで配布される紙袋も、イベントの終わりを告げる重要なアイテムです。「POKImari」氏らがデザインした紙袋を持つ群衆が駅に向かう光景は、イベントが無事に完結したことの証左です。

まとめ|次世代へ繋ぐレジリエンスとコミケの未来

今回はC94のデータをもとに、参加者の動向と運営の思想について分析しました。

  • 3日目の一般参加者は5万人増え、会場は物理的限界に達した
  • 女性コスプレイヤーは混雑を避け、2日目に集中し3日目には激減した
  • 「決して過酷ではない」という言葉は、参加者の高いリテラシーを前提としている
  • このイベントは、自己責任と相互扶助によって成立する「場(Ba)」である

C94は、アナログな物理的接触を伴うイベントの価値を再定義しました。私たちはこの経験を糧に、変化する環境下でのイベントの在り方を考えていく必要があります。

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