TRPGのセッションを心から楽しむために、プレイヤー間の相互理解は欠かせません。特にキャラクター同士の恋愛関係については、個々の嗜好が大きく関わるため、事前の意思表示が重要になります。私が長年TRPGをプレイしてきて、この意思表示をスムーズに行うために非常に有用だと感じているのが「3L○×」という指標です。
この記事では、3Lオタクを自認する皆さんが、「3L○×」を使いこなし、TRPGセッションをより円滑に進めるための具体的な活用術を解説します。
「3L」とは何か?TRPGオタクのための基礎知識

TRPGの世界でよく耳にする「3L」という言葉。これはキャラクターの恋愛傾向を示すための、非常に便利な共通言語です。この基本的な知識を押さえておくことが、快適なセッションへの第一歩となります。
「3L」が示す3つの恋愛カテゴリー|NL・BL・GLを理解する
「3L」とは、主に三種類の恋愛の型を指す包括的な言葉です。これらのカテゴリーを知ることで、自分や他のプレイヤーの嗜好を明確に伝えられるようになります。
NL (ノーマルラブ / HL – ヘテロラブ) とは
NLは「ノーマルラブ」の略で、「HL(ヘテロラブ)」とも呼ばれます。これは、男性キャラクターと女性キャラクター間の異性愛関係を指します。多くの物語で馴染み深い組み合わせであり、TRPGのシナリオでも幅広く扱われる関係性の一つです。私がシナリオを執筆する際も、NLの要素は多くのプレイヤーに受け入れられやすいと感じています。
BL (ボーイズラブ / ML – メンズラブ) とは
BLは「ボーイズラブ」の略で、「ML(メンズラブ)」とも呼ばれます。これは、男性キャラクター同士の恋愛関係および、または性的な関係を指します。非常に大きなファンコミュニティが存在し、TRPGにおいても専門のシナリオが数多く作られるほど人気の高いジャンルです。私自身、BL要素を含むセッションに参加する際は、その独特の空気感や深いキャラクター描写に魅力を感じています。
GL (ガールズラブ / 百合) とは
GLは「ガールズラブ」の略で、日本語では「百合(ゆり)」という呼称が一般的に用いられます。これは、女性キャラクター同士の恋愛関係および、または性的な関係を指します。NLやBLと並び、「3L」の重要な構成要素として認識されており、繊細な感情描写が特徴的な作品が多い印象です。
私がGMを務める際、GLを好むプレイヤーがいる場合は、キャラクター間の心の機微を丁寧に描写できるよう心がけています。
略称 | 日本語表記 | 英語相当 | 概要 |
---|---|---|---|
NL | ノーマルラブ (HL) | Normal Love | 異性間の恋愛関係 |
BL | ボーイズラブ (ML) | Boys’ Love | 男性同性間の恋愛関係 |
GL | ガールズラブ (百合) | Girls’ Love | 女性同性間の恋愛関係 |
なぜTRPGで「3L」が重要になるのか|円滑なセッションのために
TRPGは、参加者全員で物語を創造する遊びです。そのため、各プレイヤーがどのような展開を好み、あるいは避けたいかを事前に共有することが、トラブルを未然に防ぎ、全員が楽しめるセッション作りに繋がります。「3L」という共通言語を用いることで、このデリケートな話題について、簡潔かつ明確に意思疎通を図ることができます。
私がTRPGを始めたばかりの頃は、このような指標がなく、手探りで相手の嗜好を探ることもありましたが、「3L」の概念が広まってからは、格段にコミュニケーションが取りやすくなりました。
「3L○×」表明の具体的な意味と使い方
「3L」の基本を理解した上で、次に重要となるのが「3L○×」という表明方法です。これは、NL・BL・GLの各カテゴリーに対して、自分がどの程度受け入れられるかを示すための記号です。
「3L○(さんえるマル)」とは|全てを受け入れる意思表示
「3L○」という表記は、NL、BL、GLの全ての恋愛関係を許容し、受け入れるという意思表示です。TRPGにおいては、自分のキャラクターがこれらのいずれの恋愛関係を結んでも構わない、あるいはGMが用意するシナリオにこれらの要素が含まれていても問題ない、という意味合いで使われます。
「3L○」表明のメリット|自由なRPと物語展開
「3L○」を表明する最大のメリットは、ロールプレイや物語展開の自由度が高まることです。キャラクターの行動や感情の流れを制限せず、セッション中の偶発的な出来事や他のキャラクターとの関係性の変化にも柔軟に対応できます。私が「3L○」のプレイヤーとして参加する際は、予期せぬ恋愛展開も物語のスパイスとして楽しむようにしています。
「3L○」表明時の注意点|GMや他PLとの認識合わせ
「3L○」は万能ではありません。重要なのは、GMや他のプレイヤーとの間で、「どの程度の描写まで許容できるか」という具体的な認識を合わせておくことです。例えば、恋愛の進展速度や表現の直接性など、細かい部分でのすり合わせが、より快適なプレイ環境を生み出します。私がGMをする際は、「3L○」のPLに対しても、事前にシナリオの恋愛要素の傾向を伝え、確認を取るようにしています。
「3L×(さんえるバツ)」とは|恋愛要素を避ける意思表示
一方、「3L×」は、NL・BL・GL全ての恋愛や性的な要素全般を避けたい、あるいは除外したいという嗜好を示す表明です。これは必ずしも恋愛テーマへの嫌悪を意味するわけではなく、冒険や謎解き、友情といった他の側面に焦点を当てたいという意思の表れでもあります。
「3L×」表明のメリット|恋愛以外のテーマに集中
「3L×」を表明することで、プレイヤーは恋愛要素に気を遣うことなく、シナリオの他のテーマ、例えば戦略的な戦闘や深い世界観の探索、キャラクター同士のプラトニックな絆の構築などに集中できます。私がミステリーシナリオやハードな探索シナリオを遊ぶ際は、あえて「3L×」で参加し、物語の核心部分に没頭することもあります。
「3L×」表明が有効なシナリオやキャラクター
「3L×」の表明は、特に恋愛要素が主軸ではないシナリオや、アセクシュアル・アロマンティックなキャラクターをロールプレイしたい場合に有効です。また、参加者全員が「3L×」であれば、GMは恋愛描写を一切気にすることなくシナリオを進行できます。
「地雷」を避けるためのコミュニケーション術|「お気持ち表明」の重要性
「3L○×」の表明は、いわゆる「地雷」を避けるための重要なコミュニケーション手段です。「地雷」とは、個人にとって不快な話題や受け入れ難い展開を指します。事前に自身の嗜好や許容範囲を「お気持ち表明」として明確にすることで、意図せず他者の「地雷」を踏んでしまうリスクを減らし、全員が安心して楽しめる空間を作ることに繋がります。
私がセッションを立てる際、最も重視するのがこの「お気持ち表明」の確認です。これにより、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。
表明 | 読み方(ローマ字/ひらがな) | 主な意味 |
---|---|---|
3L○ | さんえるまる | NL・BL・GL全て許容 |
3L× | さんえるばつ | NL・BL・GL全ての恋愛要素を不可(NG) |
TRPGセッションで「3L○×」を最大限に活用するコツ
「3L○×」の意味を理解したら、実際のTRPGセッションでどのように活用すればよいのでしょうか。ここでは、私が実践している具体的なコツを紹介します。
セッション前の準備|GM・PL間の意思疎通を深める
円滑なセッションのためには、プレイ開始前の準備段階でのコミュニケーションが極めて重要です。「3L○×」の表明もこの時点で行うのが効果的です。
プロフィールカードや募集時の記載例
プレイヤー募集の際や、自己紹介を行うプロフィールカードには、「3L|NL○ BL○ GL△」や「3L×(恋愛要素は苦手です)」のように、具体的に記載することをおすすめします。△(三角)は「場合による」「一部許容」といったニュアンスで使われることもあります。私は、募集文に「3L表明歓迎。詳細は応相談」と一言添えるだけで、参加希望者との事前のやり取りがスムーズになることを実感しています。
質疑応答で確認すべきポイント
「3L○×」の表明だけでは伝わりきらない細かなニュアンスもあります。セッション前には、GMや他のプレイヤーと以下のような点について確認し合うと良いでしょう。
- 許容できる恋愛描写の具体例(例|キスまでOK、匂わせる程度ならOKなど)
- 特に苦手な展開やシチュエーション(例|三角関係、死別など)
- 自分のキャラクターが恋愛関係に発展する場合の希望(例|積極的に関わりたい、受け身でいたいなど) 私がGMを行う際は、これらの点についてプレイヤーに質問し、全員が納得できるラインを探るようにしています。
セッション中の立ち回り|表明に基づいたロールプレイ
セッションが始まったら、事前の表明に基づいてロールプレイを心掛けることが大切です。他のプレイヤーの表明も尊重し、お互いが快適に楽しめるように配慮しましょう。
「3L○」の場合の柔軟な対応
「3L○」を表明している場合は、シナリオ中の恋愛要素や他のキャラクターからのアプローチに対して、オープンな姿勢で応じると物語が豊かになります。ただし、無理に恋愛に発展させる必要はありません。キャラクターの感情や状況に合わせて自然なロールプレイをすることが重要です。私がPLとして「3L○」で参加する時は、GMの提案する展開を楽しみつつ、自分のキャラクターの意思も大切にしています。
「3L×」の場合の境界線の守り方
「3L×」を表明している場合は、自分のキャラクターが恋愛的な状況に巻き込まれそうになった際に、その意思を穏やかに伝えることが大切です。例えば、「私のキャラクターは今、恋愛よりも使命に集中したいようです」といった形で、ロールプレイの中で自然に境界線を示すことができます。私が「3L×」のPLと同卓する際は、その境界線を尊重し、恋愛以外の形でのキャラクター間の関係構築を促すようにしています。
「4L」やその他の表明への対応|多様な嗜好を理解する
「3L」の枠組みは固定的なものではなく、コミュニティのニーズに応じて変化することもあります。例えば、「3L」に「TL(ティーンズラブ)」を加えた「4L」という表現が使われることもあります。TLは若いキャラクター間の恋愛を描くジャンルを指すことが多いです。稀に「トランスジェンダーラブ」を指す場合もあるようです。こうした多様な嗜好が存在することを理解し、尊重する姿勢が、より良いコミュニティ作りには不可欠です。私が新しいコミュニティに参加する際は、まずその場で使われているローカルなルールや用語を確認するようにしています。
まとめ|「3L○×」を使いこなし、最高のTRPG体験を!

「3L○×」という指標は、TRPGのセッションを円滑に進め、参加者全員が心から楽しむための強力なツールです。NL・BL・GLといった基本的な恋愛カテゴリーの理解から始まり、「3L○」や「3L×」といった具体的な表明方法、そしてセッション前後の丁寧なコミュニケーション。これらを実践することで、デリケートな恋愛の話題についても安心して意思疎通を図ることができます。
私がTRPGを愛する者として強く願うのは、全てのプレイヤーが互いの「好き」や「苦手」を尊重し合い、快適な環境で物語を紡いでいくことです。「3L○×」の活用は、そのための有効な手段の一つです。この記事が、皆さんのTRPGライフをより豊かで楽しいものにするための一助となれば幸いです。さあ、「3L○×」を賢く使って、最高のTRPG体験を創造しましょう。